日本移植者協議会2003年活動記録詳細



5月17日 あなたを忘れない!「生命きずなの日(ドナーの日)」記念祭

2003年5月17日(土)午後、日本で初めて日本ドナー家族クラブと日移協を初め臓器 移植患者団体連絡会が協力し開催しました。(会場:東京都大田区産業プラザPioコンベン ションホール)プログラムの内容は以下の通りでした。

"音楽で「生命きずな」を祝うクラシックコンサート"
ソプラノ 本田久子・ピアノ 山上さおり
「Let Me」(日本語訳)ほか
第一部 "生命と、きずなを考え合う"記念公開フォーラム
第二部 ドナー・レコグニション・セレモニー

「Let Me」は、ハワイのドナーファミリーの方が作られた曲で、2001年の世界移植者 スポーツ大会神戸大会で初めて聞きました。その後は、全国移植者スポーツ大会のテーマソン グになっています。
ドナー家族の方々とは、神戸から交流が続いています。そして少しずつではありますがお互い に理解が深まってきました。そして5月17日は、移植を受けた者にとっても、ドナー、ドナー 家族に感謝の気持ちを伝えると共、今生きていることの喜びを実感する特別な日となりました。

参加された移植者のメッセージ
「ドナー&ドナーファミリーに対する・感謝の気持ちを忘れずに!」 (東京女子医大移植者の会 植松信一)
 5月17日、私は 『生命・きずなの日Bride of Life Day』に参加しました。日本ドナー 家族クラブについては、一昨年に神戸で行なわれた世界移植者スポーツ大会で初めてその存在 について知りました。そして、昨年の東京女子医大主催の日本移植学会での間澤会長の講演を 聞いて「移植を受けた者としてドナーだけでなく、ドナーファミリーの存在についてもっと 理解を深めていかなくてはならない!」との思いで今回参加したのでした。
 私たち移植者は、日本で移植医療が思うように進まない現状について、とかく「カード配布 の普及が足りない」、「厚生労働省がもっと啓蒙活動を強めて!」などと、移植を受ける立場 でのみ物事を考えがちです。まして生体腎移植や生体肝移植など、いわゆる『身内』からの 提供による移植医療を受けた患者にとっては、ドナーファミリーなどの存在について、なお さら″他人事″に思っている患者も多いことでしょう。しかし、思い起こせば移植医療その ものが、ドナーとなりうる方々がいないと成立しない医療行為なのです。
 「生命・きずなの日 Bride of Life day」は、私たち移植患者にとっては、単なる記念日 ではありません。自身の尊いボランティア精神でドナーになる選択をした方々や、ある日突然、 ドナーファミリーになったそのご家族が受けた悲しみや苦しみ、悩みに対して、移植によって 健康を取り戻した移植者一人一人が、その崇高な精神に敬意を表し、共に未来へ向かって手を 携えながら生きていくことを誓い合う日として心に刻み込んでいかなくてはならない一日で あると考えます。日常生活の多忙さにまぎれてつい忘れてしまう《忘れてはいけない!》 ドナーやドナーファミリーヘの感謝の気持ちをあらためて感じた一日でした。
 私も移植者の一人として、何らかのかたちでお手伝いしながら、ドナーファミリーの方々 とも交流していきたいです。参加する機会を与えていただいた日本ドナー家族クラブや日移協 はじめ各団体の皆様、ありがとうございました。



11月8日 「ドナー家族の話を聞く会」

臓器移植患者団体連絡会は、日本ドナー家族クラブのご協力のもと2003年11月8日(土)、 2002年に引き続き、二度目の「ドナー家族のお話を聞く会」を開催しました。(会場 ペアーレ新宿)
今回も三人のドナーファミリーの方にお話いただきました。
お話は、私たち移植者にとって厳しいことばも少なくありませんでしたが、臓器移植はドナー なくして成り立たない医療です。そのご家族であるドナー家族の方々の思いをしっかりと受け 止めることが大切だと思います。
欧米のように、ドナー、ドナー家族の方々が、社会から尊敬され讚えられる世の中が来ること を願い、私たち移植者や移植医療関係者だけでなく一般の方々にも、聞いていただきたいお話 でした。
この会は、私たち移植者にとって原点とも言える集いです。今後も毎年開催していきたいと 思っております。
なお当日のお話を冊子し、2004年2月末に日本移植者協議会から発行する予定です。



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