臓器移植患者団体連絡会、厚労省へ要望書提出



去る2003年4月16日、結成後初めての活動として、例年通り厚生労働大臣に対し以下の要望書を 提出した。
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 15才未満でも臓器提供ができるよう法律を見直してください」との要望を、第一項目 にあげた。この件は厚労省ではなく国会において検討決定されるものであるが、各党への資料 提出など側面からの援助要請し、理解を得た。

 提供施設拡大については、厚労省の臓器移植委員会で検討されているので、その推移を見守 る。(日移協の大久保がその件について委員会で積極的に発言していく)4類型の認定施設に おいてもまだ4分の1程度は、体制を整えていないので、こちらへの働きかけを臓器移植対策 室として行っていくことを確認。

 保険適用や身体障害者としての認定など主に肝臓移植について強く要望した。次回の保険認 定は来年4月、今後も成人の肝臓移植の保険適用へ向け積極的に運動する。また内部障害者と しての認定は、「今まで検討されたことがないが毎年見直しをしているので、障害者認定分科 会で検討するよう努める」との回答に、必ず検討するよう強く要望した。

 免疫抑制剤の薬価については、「来年4月が改定の時期であり今までも改定され徐々に下が っているので、おそらく免疫抑制剤についても改定の対象となろう」との回答だった。

 移植者の障害年金について今まで3年間は、無条件で支給するとの約束(全国腎臓病協議会 の対厚生省折衝で2度にわたり確認)があったが、最近では2年で支給停止になったものがかな りあり、昨年3月に日移協独自で社会保険庁へ赴き、変更がないことを確認したが、4月に担 当者が変わると引き継ぎを受けていないと言い、一向に確認が取れない状況になっていた。 そこで新たに今回要望した。ところが驚いたことに担当者は、10年前と変わらない「1年に ついては、無条件で支給するがその後については、個別に状態を診て判断する」との回答だっ た。これはあまりにも無責任な回答であると、強く抗議し再度調査の上、回答するよう求めた。

 法律施行以前より要望していた健康保険証や運転免許証に意思表示の記載欄を設けることに ついては、昨年の4月の交渉において「健康保険証がカード化するに伴い、カードが一人ひと りの所持となることからプライバシーの面から、より意思表示欄を設けることが容易になる」 との見解を聞いた経緯もあり、今回政府管掌保険がカード化するにあたり是非意思表示欄を設 けるよう強く要望した。政府管掌保険は、厚労省の管轄であり厚労省の規則を変更することで、 可能となることから、まず厚労省が模範を見せることにより、他の保険者へ働きかけることが できる。どのようにすれば規則を変えることが可能か、そのことについてどの様に考えている か、4月中に回答することを確認した。
 4月17日保険局保険課の山田氏(先日の会合に出席した中村氏の上司)から電話による連絡 があった。山田氏の話として、「先日の会合では、出来ないと断ったつもり だったが。健康保険法と 直接関係の無いことを義務付けることは出来ない。健康保険法と直接関係の無いことを設ける 要望は他からも来ている。そちらを認めると他からの要求も止められなくなる。」という回答 があった。
 臓器移植患者団体連絡会として政府管掌保険のカードへの意思表示欄を向ける件は、担当部署 と再度直接面談し交渉することとなった。

 一昨年から行っているノバコア左室補助人工心臓の保険適用については、今年国内で発売の 認可が下りたことにより一歩前進した。厚労省の回答では「現在保険適用について審査中との こと」是非来年には認可がおり、心臓移植の待機患者のQOLを向上し、延命に繋がることを 希望した。

 各部署との折衝の後、臓器移植対策室と意見交換を行った。移植推進には、提供施設ヘの働 きかけと、一般への普及啓発が共に重要であり、この点について協力していくことを確認。
またネットワーク及び都道府県コーディネーターの質の向上が急務であるとの認識でも一致し た。

その他多方面にわたり意見交換をし、今後定期的に、会合を開き、意見交換を行うこととなった。



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