臓器移植法改正案またも継続審議

昨年の3月31日に通常国会に提出された臓器移植法改正案は、一度も審議されずに継続審議となりました。秋の臨時国会でも審議されませんでしたが、実質審議ではありませんが昨年の12月に衆議院の厚生労働委員会で参考人質疑が行われました。私たちは今通常国会での審議入りに希望を抱き、この2月からより積極的に自由民主党、公明党、民主党の執行部や役員議員を中心に移植学会の先生方と協力し陳情活動を続けました。

それまで法改正に積極的に活動してくださっている議員はA案関係者の自民党の河野太郎先生、山内康一先生、冨岡勉先生以外にはほとんどいませんでした。しかし3月にお会いした自民党の国会対策委員長の二階先生は、この法律の重要性を充分認識され、公明党の同じく国会対策委員長である漆原先生とも連携され、法改正へ向けて積極的に活動を起こされました。法改正のために衆議院の厚労委員会に小委員会を設けるよう働きかけをし、国会内で与党の臓器移植法改正案審議促進の決起大会を6月に開催されました。

二階先生は、A案に反対する自派閥の川条志嘉議員に「法改正については、患者さんたちは命をかけて頑張っているのだから、あなたもB案を主張するなら、政治生命をかけなさい」とまで言われました。

また二階先生は、先日は国立循環器病センターまで訪れて、心臓移植を受けた方や、心臓移植を待機されている患者様に会い、法改正をすると北村総長に 約束してくださいました。また中川秀直幹事長も早期に法改正を行なわなければならないと他の議員へ積極的に働き掛けてくだしました。

私たちは民主党にも3年前から陳情を続けていますが、党幹部など有力議員のほとんどが法改正に賛成と言いながら積極的に動く議員はいませんでした。今通常国会においても小委員会の設置について4月から与党が提案しているにも関わらず全く協力せず、6月に小委員会設置が決まったあとも閉会直前まで名簿を提出せず、結果として今通常国会において小委員会での審議ができませんでした。昨年秋の臨時国会においても民主党の反対で審議入りできなかった経緯があります。生命のかかったこの法案を政治的駆け引きの道具に使うことは、断じて許されません。

今回の参議院選挙では与党の劣勢が予想されています。もしこの選挙で与党が過半数を割った場合、安部首相は代わらないかも知れませんが、自民党の幹部である二階先生や中川幹事長が重要ポストから外される可能性が高いと思われます。

そうなった場合、与党の幹部で改正への積極的に動く議員がいなくなり、法改正も危うくなります。私たちは、何としても次期臨時国会において臓器移植法の改正を実現したいと願っております。

みな様には、いままでの経過をご理解いただき、今参議院選挙に投票していただきたいと存じます。

臓器移植患者団体連絡会 代表幹事 大久保 通方


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