臓器移植とは 〜「移植医療」に関してのメッセージなど〜


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移植医療の現状

日本には、臓器移植を受け元気に生活している方が1万5千人以上います。
諸外国に比べ非常に少ないですが、1年間に腎臓移植が年間約1300百例(約85%が生体腎移植)、 肝臓移植が約5百例(ほとんどが生体部分肝移植)、その他脳死下の提供による心臓や肺、 すい臓移植が約10例、また生体肺移植もやはり数例行われています。但し2010年7月に改正臓器移植法が全面施行され、8月からの5ヶ月間に29例の脳死下臓器提供があり、大きな変化が起こりつつあります。
腎臓移植
腎不全治療には、腎臓移植のほかに透析治療(血液透析・腹膜透析)があります。
最近では、糸球体腎炎より糖尿病が悪化して腎不全になる方が多くなっています。
日本では毎年約1万人ずつ透析患者が増え続け現在では30万人に達しています。
腎不全になると一生、週に2〜3回、1回4〜5時間の血液透析療法を受けるか腹膜透析をし続 けなければなりません。
透析療法とは、腎臓の代わりに血液中の老廃物や水分を除去する治療です。
それに比べ移植医療は、時間的制約や水分、食べ物の制限も非常に少なく、一般の方と代わら ない生活をおくることが出来ます。
透析治療が進歩したとはいえ、長年にわたる身体への影響は大きく、生存率は移植と比べ かなり下回っています(5年生存率血液透析60.4%、生体腎移植92.8%、死体腎移植84.5%)
1992〜00年の腎臓移植の5年生着率は生体腎83.4%、死体腎移69.2%ですが、2001年以降は新しい免疫抑制剤の開発により大幅に向上し、生体腎93.4%、死体腎移80.2%となっています。
肝臓移植
諸外国では脳死下での肝臓移植が主流ですが、日本では生体部分肝移植がほとんどです。生体肝移植は近親者の肝臓を一部切除し、移植するものです。生体肝移植の5年生存率:77%(脳死肝移植と生体肝移植の差はありません)
生体間移植は生きている元気な人の身体を傷つけなければなりません。
倫理的問題や、提供者への心理的圧迫など問題が残りますが、生体間移植は、今の日本には 必要な移植です。
生体肝移植は90年代中ごろまでは、主に胆道 閉鎖症の子供へ行われていましたが、胆道閉鎖症は他の肝疾患に比べ移植対象患者も少なく、最近では成人ヘの移植が主流となっています。
単純に比べることはできませんが、日本の生体部分肝移植の5年生存率は、世界的にも高い 水準にあります。
2004年1月からほとんどの生体部分肝臓移植について16歳以上にも健康保険が適用さ れるようになりました。しかし臓器移植は、手術をすれば終りという医療ではありません。
術後は、拒絶反応に備え、免疫抑制剤を飲み続けなければなりませんし、体調に充分注意を 払い自己管理し、定期的に検診を一生受けなければなりません。そのための医療費の負担は かなり大きく、肝臓移植者の生活を圧迫していましたが、2010年4月から肝臓移植者も障害者として認定されるようになり、大幅に負担が軽減されました。
また、臓器は一生もつとはかぎりませんので、多くの人に再移植、再々移植が必要となります。
腎臓の場合は、一旦透析に戻り再移植を待つことができますが、肝臓移植や心臓移植はそれが できず、臓器の廃絶は死につながります。
この様に移植医療は、再移植を含め術後のケアーを充実させなければ進みません。
日本でも亡くなった方から提供をうける心臓、肝臓、肺移植などにも道が開かれました。
現在の臓器移植法は非常に厳しいものですが、国民一人一人が自分の意志を明らかにすること により、きっとその道も広がることでしょう。
心臓移植
我が国では、1968年に札幌医科大学で和田教授による心臓移植が行われました。当時と しては、世界の最先端の医療でした。しかし脳死判定を移植医が行ったことや移植を受けた方 の医学的な適用などが問題視され、結果として医療及び臓器移植への不振を招き、 我が国の心臓移植への道が閉ざされてしまいました。
1997年に臓器移植法が施行され1999年2月に我が国で二例目の心臓移植が行われまし た。その後、毎年数例の心臓移植が行われています。しかし心臓移植の適用患者は年間500 から600人と推定されており、その数はあまりにも少な過ぎます。
国内の心臓移植に、2006年4月から保険が適用されるようになりました。前臓器移植法では、15歳未満の臓器提供が出来ないために、小さな子どもが国内で心臓移植を受 けられる望みは殆どなく、そのため小さな子どもは、海外(主に米国)に渡り心臓移植 を受ける道しかありませんでした。法律が変っても子どもからの提供は未だなく、国内での移植をあきらめ海外に渡る子どもあとを絶ちません。しかし1億円程必要とするため、そのほとんどを募金に頼らざるを得ず、 多くの方は海外に渡ることなく亡くなってしまっているのが現状です。
また心臓移植までのつなぎとして人工心臓が開発されています。人工心臓には体外型と埋め込 み型があります。
埋め込み式の人工心臓は、制限はありますが退院もでき一般の方に近い生活を送ることができ ます。今までは国産の体外型のみ健康保険が適用されていましたが、2004年度より埋め込 み型の人工心臓(ノバコア)にも健康保険が適用されるようになりました。しかしながら既に旧型となり、現在では使用できなくなっています。いま新しい人工心臓の認可と保険適用が急がれます。

2008年、我が国の臓器移植数。( )は脳死及び心停止下での提供

心臓

肝臓

腎臓

膵臓

13

25(14)

476(13)

1201(210)

11(10)

各国の臓器移植数の比較(2008年、なお韓国は2005年)

  心臓 肝臓 腎臓
日本 13 25 476 1201
アメリカ 2,190 1,505 6,319 16,519
イギリス 133 146 701 2,497
フランス 379 215 1,011 2,937
ユーロトランスプラント 581 972 1,688 4,610
ス カ ン シ ゙ ナ ヒ ゙ ア4 カ国 89 83 237 786
韓国 26 8 594 754

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