臓器移植とは 〜「移植医療」に関してのメッセージなど〜


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日本の移植は、なぜ少ないか?

我が国の移植医療は、ほぼ諸外国と同時期に始められ、1979年には腎臓と角膜の移植に係る 法律も制定されましたが、現在では欧米諸国及びアジア近隣諸国に比べ提供数において、 大きく差ができてしまいました。
1997年10月に臓器移植法が施行され、脳死下での提供による心臓、肝臓、肺、すい臓、小腸等 の移植が出来るようになりました。しかし本人意思の確認に書面を必要としたため脳死下で提供される方は、多くても年間10名ほどでした。ようやく2009年7月に改正臓器移植法が成立し、2010年7月17日から施行されました。その後脳死下の臓器提供は大幅に増加しました。しかしこの数を年率に換算すると脳死下臓器提供は70例、心停止下を加えた総数は150例となり、欧米諸国に比較するとかなり少ないことに変りはありません。
内閣府の世論調査では、40%以上の方が臓器提供をしても良いと回答しています。また少ないとは言え約5%の方が意思表示カードに提供すると記入しています。脳死下で提供可能な患者さんは、少なくとも年間5千人いると推定されています。則ち旧法制下でも200人の脳死下臓器提供があってもおかしくありません。この原因は、いくつか考えられますが提供施設の体制もその一つと考えられます。
これまでは「主治医が臨床的脳死と判断した時、家族等の脳死についての理解の状況等を踏まえ臓器提供に関して意思表示カードの所持等、本人が何らかの意思表示を行なっていたかについて把握するよう努めること」なっており、ほとんどの施設では選択肢の提示が行われていませんでした。これも臓器提供が少ない原因の一つです。改正されたガイドラインでは「脳死とされ得る状態にあると判断した場合以後において、家族等の脳死についての理解の状況等を踏まえ、臓器提供の機会があることを及び承諾に係る手続き際して主治医以外の者(コーディネーター)による説明があることを口頭又は書面により告げること」となりました。則ち罰則規定はありませんが選択肢提示が義務化さらました。本来臓器提供は患者及び家族の権利であり、終末期医療においては、治療法の選択肢提示の一つとして臓器提供についても尋ねなければならにと思います。アメリカの救急医には、脳死になった患者家族への、臓器提供の意思の確認が義務づけられて います。
5類型以外の施設であっても心停止下の臓器提供は出来ます。これらの施設と5類型として脳死下臓器提供が認められている全ての施設において脳死になられた患者さんのご家族に選択肢の提示が行われるようになれば、もっと提供したい方の意思をいかすことができることしょ う。
移植医療は、情報を常にオープンにし、個人が自己の意思を明確にすることが大切です。
さらに、一人ひとりの意思を尊重し、それを必ずいかすシステムが必要です。
数年前から提供病院開発事業としてドナーアクションプログラムが実施され、オプション提示を する施設は確実に増加していますが、これだけでは効果が不十分だと思われます。やはり 移植医療の推進には、一般の移植医療への関心を高め、一人ひとりが臓器移植について自分自身の 問題として考えていただくことが必要です。
臓器移植という言葉は、ほとんどの方に知られるようになりましたが、臓器移植に関する情報が 正しく伝えられているとはいえません。内閣府の世論調査でも80%の方が臓器移植に関する情報が十分でないと回答しています。この状態は10年間以上続いています。
今回のガイドライン改定では臓器移植の普及啓発が国及び地方自治体の義務となりました。これからは、国及び地方自治体と日本臓器移植ネットワーク、日本移植学会などの医療界、患者団体が一体となり常に臓器移植に関する正しい情報を広く発信し続けなければなりません。
このことが達成されるならば日本の移植医療は大きく前進することと思います。

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