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声明文


改正臓器移植法施行から3年を迎えて

 この7月17日で改正臓器移植法が全面施行されて3年を迎えました。
 この間、多くの臓器移植待機者の命が救われ健康を取り戻しました。
偏に臓器移植への深いご理解と善意によって臓器を提供されたドナーの方々、そして臓器提供にご理解をいただき、ご決断をされましたご家族皆様の賜物であり、改めてドナーの方に哀悼の意を表しますとともに、深い悲しみの中、臓器提供のご決断をされましたご家族に衷心より感謝と敬意を表します。
 さて、お子様を亡くされ、その思いを訴えていただいたご両親や人工心臓を長期装着されている方など多くの方が「日本人が日本人を救える国」にと訴え、成立した改正臓器移植法はこれまで渡航移植でしか救われなかった心臓移植待機者をはじめ、臓器移植を必要としている患者に、生きる大きな希望となり、光りとなりました。
 施行当初から脳死下臓器提供が増加したことで多臓器の移植が可能となり、多くの臓器移植待機者の生命(いのち)が救われてきました。そして、(公社)日本臓器移植ネットワークへの待機登録も心臓及び肝臓については、顕著に増加しました。
 しかしながら当初想定された脳死下臓器提供数年間80例に期待を持ちましたが、(公社)日本臓器移植ネットワークの資料から見ますと脳死下、心停止下の提供数は2010年113例、2011年112例、2012年110例とほぼ横ばいの状態です。本年に至っては、6月末時点での提供数は36例(脳死下20例、心停止下16例)と大きく下回っています。
また法改正の大きな目的の一つであった15歳未満からの臓器提供は2例と少なく閉ざされたままであります。
この右肩下がりの想定外の憂慮すべき状況を誰が予想していたでしょう。

 我が国の臓器移植医療技術は世界のトップクラスと言われております。この医療技術が活かされ、明日の生命を脅かされ、辛苦に耐えながら移植を待ち続ける多くの国民の生命がすべて救われる国とならなければなりません。
 そのためにもきめ細かに要因分析を客観的に行うと共に多方面の見識者に意見を求めて、国として活動の柱を打ち出すことが必要と考えます。
そして国、(公社)日本臓器移植ネットワーク、都道府県の関連機関、患者会等が一体化し、都道府県単位で活動体制を構築し、継続的な諸活動を展開させることが必要不可欠です。
 改正臓器移植法第3条は国及び地方公共団体の責務として「移植医療について国民の理解を深めるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と明記されております。
 一部の行政では保険証裏面に意思表示欄が設けられたことを機会に業務として、広報誌やホームページなどで臓器移植への理解、臓器提供意思表示の協力を市民へ呼びかけをはじめました。このような地方自治体の啓発活動が全国で展開されることで点から線、線から面への一歩となり、将来的に大きな普及効果が期待されます。
 また臓器移植は国民に支えられて成り立つ医療であることから、脳死下からの臓器提供及び心停下後の角膜・腎臓提供が可能であることを公平に社会に伝えることが必要だと考えます。
 当法人は臓器移植の恩恵を受けた移植患者の団体として、ドナーとなられた方々への永遠の感謝とドナーご家族の幸せを願いながら、国民の皆様に臓器移植、臓器提供について、一層の理解を深めていただく活動を関係機関と連携を密に推し進めたいと願っております。
 善意による臓器提供の増加を目指し、引続き「日本人が日本人によって救われる社会」の実現に向け最大の努力をして参ります。


                          平成25年7月26日
                特定非営利活動法人 日本移植者協議会
                          理事長 山本 登



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