臓器移植とは 〜「移植医療」に関してのメッセージなど〜


>>「移植医療って何?」
>>日本の移植はなぜ少ないか
>>移植医療の現状
>>ネットワークのシステム
>>移植後のQOL(生活の質)

ネットワークのシステム

1995年4月、(社)日本腎臓移植ネットワークが発足し、97年10月臓器移植法施行にともない (社)日本臓器移植ネットワークとなり全臓器に対応するようになりました。
アメリカではUNOS(全米臓器分配ネットワーク)が84年に創設され、公的な機関として、 臓器移植希望者を登録し、提供者が現れたとき厳格な医学的基準に基づきレシピエントを決定 しています。
無論この機関は全臓器に対応しています。
組織移植は各地区に組織バンクがおかれ保存と分配にあたっています。
ヨーロッパにも、いくつか臓器移植ネットワークがありますが、ユーロ・トランスプラントや スカンジナビヤ・トランスプラントは、数カ国にまたがる機関として有名です。
これらもUNOSと同様地区内の移植を公平かつ円滑に行うために設立されました。
現在、欧米だけでなく広く世界的にも臓器移植は、一般医療として定着しています。
臓器移植をここまで発展させる大きな力となったのは各地区におけるネットワークシステムです。
これらのネットワークは公平な分配を行うだけでなく、臓器移植医療の理解を広める役割も 果たしてきました。
現在では臓器移植法が施行され、(社)日本臓器移植ネットワークは、全臓器を公平に分配 する移植ネットワークとして大きな役割を担っています。
当初腎臓移植ではHLA(白血球の型)が全て合っている場合は、全国の登録者から候補者を 選び、それ以外はブロック(北海道・東北・関東甲信越・東海北陸・近畿・中四国・九州) から選んでいました。しかし2002年1月からは、地域に重点を置いた点数制に変わり80〜90% は同一都道府県内で移植されるようになりました。
他の臓器は、全国の移植施設に登録したい患者の中から選びます。
移植ネットワークのシステムでは、救急救命センターから提供者の情報がネットワーク (ブロックセンター)によせられますと、コーディネーターが赴き患者家族に提供についての 説明を行います。
もし、ここで提供の承諾(脳死での提供には、本人が脳死判定と臓器提供の意思を書面により 表示していることが必要)得られると、本部または各支部に検査用の血液やドナーの情報を送 り、レシピエントを探します。
腎臓移植では、HLAの適合性や地域、待機期間を点数化してその点数の高い順に、心臓、肝臓の 場合は患者の緊急度を最重点に考慮し決定します。
亡くなった後摘出された臓器は主にコーディネーターによって移植施設へ移送され待っている レシピエントに移植されます。
移植医療は、提供側である救急救命施設の協力なくしては成り立ちませんが、この様にネット ワークの役割は非常に大きく、特にコーディネーターが移植の成否を握っているといっても 過言ではありません。
諸外国でさえ、移植を待つ患者に対し提供者の数が不足していますが、より厳格な意思確認が 要求されている日本では、脳死下での提供は年間数人しかいませんし、意思表示カードなくて も家族の同意で提供できる腎臓さえも提供者は年間百人にも満たない状況です。
移植医療が国民に理解され、一般医療として定着するためには、ネットワークや移植関係者 だけでなく国と地方の行政が積極的に加わり、全ての国民が自分自身の問題として考えるよ うな運動に広げて行くことが大切だと思います。
社団法人日本臓器移植ネットワークのホームページ
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