臓器移植とは 〜「移植医療」に関してのメッセージなど〜


>>「移植医療って何?」
>>日本の移植はなぜ少ないか
>>移植医療の現状
>>ネットワークのシステム
>>移植後のQOL(生活の質)

移植後のQOL

移植後QOL(クオリティ・オブ ・ライフ、生活の質)について一般にはあまり知られていま せんが、日本移植者協議会が移植者に行なったアンケート調査では、移植後60%の方がほぼ健康 と答え、悪いと回答した方は9%にすぎませんし、90%の方が社会復帰し普通の生活を送っていま す。


しかし、問題がないわけではありません。43%の方が拒絶反応の経験を持ち、83%の方が命に かかわるほどではありませんが、何らかの合併症を持っています。
これらの合併症の多くは、高血圧や高脂血症など薬によって抑えることができますが、視力 障害(主に白内障)や肝障害、糖尿病など症状として、現れる例も少なくありません。
身体に関する問題以外にも移植者のQOLを阻害する社会的要因があります。それは、仕事と 結婚問題です。
移植者の34%が、術前術後に病気を理由に解雇や退職に追い込まれ、その結果、移植後無職の 方が男性で18%、女性で27%もおります。また一般の人と変わらない健康状態で働いていながら 平均給与も低くなっています。
その上、多くの方が移植後は受給していた障害年金が停止になっています。また、一般に比べ 三十代、 四十代の未婚率が高いことも問題となっています。
このように移植者は、身体的にも、社会的にも多くの問題をかかえています。しかし、97%の 方が移植を受けてよかったと回答し、もし今の臓器がだめになった時も84%の方が再移植を 希望しています。
私たち移植者は、いつもドナーに感謝しつつ、いただいた臓器とともに生きる喜びを感じて います。
亡くなった方からいただいた臓器であれ、家族から提供された臓器であれ、移植者にとって は大切な、いただいたいのちなのです。
そのいのちの贈り物によって新しくよみがえったわけです。
先ほどお話しましたように、移植は、よいことばかりではありません。しかし、移植者の ほとんどは、いただいた新しい命とともに、明るく前向きに生きようとしています。
その明るさが、世界移植者スポーツ大会を素晴らしいものに しているの だと思います。


 このページのトップへ →トップページへ  

Copyright (C) 2006 Japan Transplant Recipients Organization  All Rights Reserved.