臓器移植とは 〜「移植医療」に関してのメッセージなど〜


>>「移植医療って何?」
>>日本の移植はなぜ少ないか
>>移植医療の現状
>>ネットワークのシステム
>>移植後のQOL(生活の質)

日本の移植は、なぜ少ないか?

我が国の移植医療は、ほぼ諸外国と同時期に始められ、79年には腎臓と角膜の移植にかかわる 法律も制定されましたが、現在では欧米諸国及びアジア近隣諸国に比べ提供数において、 大きく差ができてしまいました。
97年10月に臓器移植法が施行され、脳死下での提供による心臓、肝臓、肺、すい臓、小腸等 の移植が出来るようになりました。しかし、ようやく増加し始めたといっても2004年度は、 脳死下で提供された方は5人、心停止下で腎臓提供をされた方は90人でした。
この原因は、いくつか考えられますが救急施設もその一つと考えられます。
新聞報道によりますと40%の施設では脳死判定を行っていません。
心停止後の提供であっても、腎臓移植をするためには、ほとんどの場合脳死をへなければなり ません。
アメリカの救急医には、脳死になった患者家族への、臓器提供の意思の確認が義務づけられて います。
内閣府による08年の世論調査によると8.4%の方が意思表示カードを所持し、その4割の方が 脳死下での提供にサインされています。それから推定しますと年間数百人の方が脳死下で 提供されてもおかしくないのです。
提供指定施設外で亡くなる方もたくさんいらっしゃいます。この方々の意思をいかす方法も 考えなければなりませんし、提供指定施設では救急医が必ず連絡し、コーディネーターが家族 に提供意思の確認をするようになれば、もっと提供したい方の意思をいかすことができるでしょ う。
移植医療は、情報を常にオープンにし、個人が自己の意思を明確にすることが大切です。
さらに、一人ひとりの意思を尊重し、それを必ずいかすシステムが必要です。
数年前から提供病院開発事業としてドナーアクションプログラムが実施され、オプション提示を する施設は確実に増加していますが、これだけでは効果が不十分だと思われます。やはり 移植医療の推進には、一般の移植医療への関心を高め、一人ひとりが臓器移植について自分自身の 問題として考えていただくことが必要です。
臓器移植という言葉は、ほとんどの方に知られるようになりましたが、臓器移植に関する情報が 正しく伝えられているとはいえません。
先の世論調査でも80%の方が臓器移植に関する情報が十分でないと回答しています。この状態は10年間続いています。
国及び地方自治体は、これから常に臓器移植に関する情報を広く発信し続けることが必要です。
このことが達成されるならば日本の移植医療は大きく前進することと思います。

 このページのトップへ →トップページへ  

Copyright (C) 2006 Japan Transplant Recipients Organization  All Rights Reserved.