日本移植者協議会2006年活動予定詳細


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生命 ( いのち ) ・きずなの日」記念祭 (Bridge of Life Day)
日時:2006年5月13日(土)13:00〜16:10
会場:全電通ホール(全電通労働会館))

また今年も5月がめぐってきました。私たち移植者は、いつも「いのちの贈りもの」をくださったドナー、ドナーファミリーを忘れたことはないと思いますが、私達にとってこの月は、特別にドナー、ドナーファミリーに思いをめぐらす月です。日本移植者協議会(日移協)では、5月の最終日曜日に名古屋市の日泰寺において臓器提供者慰霊祭を行なっています。そして三年前から、そこに新たにもう一つ加わりました。
2002年、日本ドナー家族クラブが、5月17日を、「生命・きづなの日」(ドナーの日)として、日本記念日協会に登録しました。そしてその翌年から「生命・きづなの日」記念祭が始まりました。
これまでの三回は、実行委員会という形にはなっていましたが、主に日本ドナー家族クラブが主催し開催されてきました。日移協を始め移植医療に関連する患者団体は、それをお手伝いさせていただいていました。しかしこの記念祭の趣旨からして、移植者が中心となり開催し、ドナー、ドナーファミリーの方々へメッセージを送らなければならないと強く感じていました。そしてようやく今年からそれが実現しました。
2001年神戸で開かれた第13回世界移植者スポーツ大会に日本ドナー家族クラブの方々にご参加いただき、開会式前日に「感謝の集い」を開催し、初めて移植者からドナー、ドナーファミリーの方々に感謝のメッセージをお送りしてから5年目のことです。
もっと移植者、移植医療関係者の参加を!
5月13日(土)午後1時半から、例年同様東京お茶の水にある全電通会館ホールにおいて「生命・きづなの日」記念祭が開かれました。今年は、厚生労働省や日本臓器移植ネットワークの後援もいただき、私達は、例年以上に移植者や移植関係者に参加を呼びかけましたが、参加者は120人と、まだまだ少なく、医療者の参加は、ほんの数人に過ぎませんでした。特に日本臓器移植ネットワークやドナーコーディネーターの参加が全くなかったことに大きな失望を感じました。海外でも移植者とドナーファミリーが協力しドナーへの「感謝の集い」を開くことは、稀だと聞いています。私は、この記念祭は移植医療の原点だと思っています。だからこそそこに一人でも多くの移植者、移植医療関係者に参加して欲しいのです。

ドナーメモリアル

今年は、まず始めにドナーの方々の写真がスクリーンに映し出され、お名前を読み上げることから始まり、ドナーファミリーも移植者も「あなたを忘れない!〜You’re Forever!〜」の言葉を心に刻みました。

 開会に際し鈴木正矩日移協会長は「私達、移植者が、この催し物に参加できるのは、尊いドナーとドナーファミリーの暖かい、優しいご決断があったからです。『究極のボランティア行為』である『いのちの贈りもの』への私達の深い感謝と心情がこの場におられるドナーファミリーの方々を通して、伝わり、ドナーと一緒に今日、改めて一つかしかない『いのちの大切さ』を考えられる共通の場となれば、幸いです」とドナー、ドナーファミリーへの特別な思いを語りました。

 次に、ドナーファミリーとレシピエントの往復書簡の形で、まず始めに大久保通方日移協理事長が当日お集まりいただいたドナーファミリーの方々へお礼の言葉を述べ、2001年の神戸における世界移植者スポーツ大会に際し日本で初めて開催した「感謝の集い」から続くドナーファミリーとのきずなと今回、初めて移植者がドナーファイリーの方々をお招きして開催できることの喜びを語りました。そして以下のメッセージをお贈りしました。

ドナーファミリーの方々 ドナーキルト

「贈りもの」 大久保 通方
贈られたものは、いのちですか。心ですか、愛ですか。
移植者ほど幸せなものはおりません。見ず知らずの方の心のこもった贈りものをいただき、新しい人生を始めることが出来たのです。その贈りものには、贈り主だけでなくそのご家族の気持ちも託されています。これほどの贈りものは、この世に存在しないでしょう。
そう、移植者は、そんな素晴らしい贈りものよって再び甦り、いま生かされているのです。
「生命・きずなの日」記念祭も今年で4回目を迎えます。今日は、「あなたを忘れない」のことばとともにドナーから贈られたいのちと心に感謝し、いま生かされていることに感謝し、ともにいのちの大切さ、きずなについて思いを巡らす日です。
そして私たち移植者は、素晴らしい贈りものによって今生きていることの喜びを心の底から感じつつ、「あなたを忘れない」のことばをドナー、ドナー家族の方々へお伝えしたいと思います。
このメッセージに対して、まず今回の記念祭に対するお礼を述べた後、ドナーファミリーの間澤洋一さん(日本ドナー家族クラブ代表)より以下のメッセージがありました。

ドナーの家族となって/往復書簡06.05.10
小野清子参議院議員
 往復書簡のあと、第1回からこの記念祭にご参加いただいております参議院議員小野清子先生より「2001年世界移植者スポーツ大会の組織委員長として開会式におけるドナーファミリーの入場行進での感動は、未だに忘れられません。ドナーファミリーが我が国において認められるためにも、このような大変意義ある素晴らしい記念祭をもっと多くの方々に観ていただきたい。いま臓器移植法の改正案が国会に提出されているが、これを成立させるべく努力しております」とのメッセージを頂戴しました。
そして参加者全員が壇上にあるハートのメッセージボードに思い思いのメッセージをよせました。そのメッセージの幾つかは、司会者から披露されました。


<メッセージ>(一部をご紹介します)
永遠にあなたを忘れない!あなたの行いを、あなたの生き方を

見知らぬ方からいただいた命、その日より20余年。私は「あなた」と一緒に生きている。私はあなたに感謝し、あなたのご家族へ、何とかしてこの気持ちをお伝えしたい。その時が今日、この時間です。
ありがとう!ありがとう!ありがとう!
今のように元気な身体で高齢者や障害者並びに弱者の手足となれるのは「貴方」のお陰です。
感謝の気持ちをどの様に表したら良いのか、想像すら出来ません。
ただ感謝、感謝、感謝です。

人の命はたくさんの方々に支えられて成り立っているのだとあらためて実感しました。命の重みを忘れずに生かされていきたいです。

貴方といつも一緒にいます。
貴方と会話することが、私の生きる、活きる証です。
ありがという。あなたを忘れることはない。
この日を「思いやり社会の原点にしたい」

愛するものを失ったドナーのご家族には癒しが必要です。感謝の気持ちを表し、わずかながらも生きることの喜びがわかち合える場が持てることは、うれしいことです。
悲しみがやがて喜びに変化して行くことを心より願っています。

私の子どもに生まれてくれて、本当にありがとう。生まれてから喘息ばかりで、何度も入院しましたが、あなたは立派に自分の使命を果たしました。
時々どうしようもなく逢いたいけれどーーー
私にたくさんの人の輪をくれて、本当にありがとう。

弟へ お互い大人になってからの「大人同士」の話がしたかったです。
お父さん、お母さんは、私にまかせてね。優しさをありがとう。 姉

最後の贈り物
夢と希望に溢れた18歳の旅立ちの時「母さん明日から頑張ってくるね!!」と
満面の笑みでそう言った円華。あなたを生んで育てて最高に嬉しい瞬間でした。
そしてまだ幼さの残る16歳の時に円華は、こう言った。
「もしもの時には、たくさん人を救って逝きたい・・。」と。
母さんにも、見知らぬ人にも最高の贈り物をくれた円華。
貴女を心から誇りに思っています。キラ星の18年を本当にありがとう!

どれも心に響くメッセージでした。この時、レシピエントとしてドナーファミリーの方々とこの時間を共有できたことを心から感謝したいと思います。
あなたを忘れない!You’re Forever!

そして第1部の最後に当協会からドナーファミリーの方々に「ドナーメモリアル」が贈られました。
第2部は、ハートフル・コンサート

まず初めに、てんほうらく(天法楽)さんが登場。天法楽さんは、1960年沖縄石垣市出身でウクレレ島唄「OKINAWA ISLAND CONNECTION」、エッセー「もしもしFC通信」主宰されています。お寺を散策する趣味が高じて「北鎌倉・島唄紀行チャリティコンサート(神奈川県骨髄移植を考える会支援)を鎌倉五山第二位・円覚寺塔頭、白雲庵にて毎年開催し、ご協力をいただく磯谷晴雄住職より「ありのままに生きることに楽しみを見つける」という意味の芸名「天法楽」をいただいたそうです。ホテルでのディーナーショーを始め各地でのライブコンサート、企業イベントにて演奏活動するかたわら施設などへのボランティアコンサートやチャリティコンサート活動を行なっているそうです。
トークをまじえながら沖縄の民謡や童歌をウクレレにのせて歌いました。良く知った沖縄民謡もあり、冗談いっぱいのトークで参加者を笑わせ、雰囲気を和ませる楽しいステージでした。
天法楽さん
T&Y+エリ
 次に登場したのは、T&Y+エリプロジェクト。渡辺えりさん(Vo)、山崎秀樹さん(Gt.Vo)、佐藤冨栄さん(Dr)の3人組です。このバンドは、新潟のドナーファミリーがマネージャーをしています。そしてそのドナーファミリーを精神的にサポートしてきました。現在は新潟県内において、イベントやホテル、式場での演奏活動のかたわら、施設やホーム、刑務所を慰問し、また「音楽を通じて感動、ボランティア、心のケアー」をモットーに月2回のライブ活動も行なっています。昨年の第41回日本移植学会総会市民フォーラムにも出演しました。(この模様は、JTRニュースにも掲載されました)
こちらも時間いっぱいまで、えりさんの迫力あふれるヴォーカウルと演奏、そして幅広いレパートリーで参加者を楽しませくださいました。
 あっという間に、午後4時を過ぎていまい、最後に日本ドナー家族クラブ代表の間澤洋一さんと大久保日移協理事長の挨拶で、今年の記念祭は閉会しました。
 来年も再来年も「生命・きづなの日」記念祭を開催して参ります。来年こそは、もっともっと多くの会場溢れんばかりの参加者を期待しています。この記念祭こそ移植医療の原点でしょう。
<来年も5月12日(土)に会場も同じ全電通ホールにおいて開催を予定しています>

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